【家電量販店月次売上】12月は6社すべてが前年比アップ

家電量販企業大手7社のうち、IR情報として月次売上速報を公表しているのはビックカメラ、ケーズホールディングス、エディオン、上新電機、コジマ(ビックカメラの子会社）、ヤマダホールディングス（セグメント別）の6社。いずれもPOS受注売上ベースの数字であり実際の販売額とは合致せず通期の売上等とも異なるが、家電量販企業の足下の販売動向や月々の変化などを知る上で重要な情報となる。
2024年12月度の月次売上速報が出そろった。

※出典:各家電量販企業のWebサイト・IR情報。数字は売上POSデータに基づいて作成したもので、速報値であり決算等の数字とは異なります。ご注意ください。

家電量販企業6社の12月度売上速報

12月は年末商戦本番となるが、月次売上速報を発表している各家電量販店とも客足が伸びたようで、年間通じて初めて6社とも前年を上回った。とりわけ気温が低い「寒い冬」になったことで、暖房器具も好調に推移し、エアコンもケーズホールディングスが115.7％、エディオンが112.4％、上新電機が128.7％、コジマが120.4％といずれも2ケタアップを達成している。なかなか安定しないテレビも多少のばらつきはあるものの、おおむね堅調に推移した。かなり前より年末商戦より年始商戦の方にシフトする傾向が続いており、1月以降の動向が注目される。

ビックカメラ

■月次売上(前年同月比)

2024年 1月	2024年 2月	2024年 3月	2024年 4月	2024年 5月	2024年 6月	2024年 7月	2024年 8月	2024年 9月	2024年 10月	2024年 11月	2024年 12月
104.7	107.3	111.9	108.7	108.6	112.4	109.9	102.6	99.6	104.0	108.5	107.9

■商品別・カテゴリー別売上(前年同月比)

	2024年 1月	2024年 2月	2024年 3月	2024年 4月	2024年 5月	2024年 6月	2024年 7月	2024年 8月	2024年 9月	2024年 10月	2024年 11月	2024年 12月
音響映像商品	103.8	117.7	119.2	116.5	113.0	117.6	123.2	98.4	99.9	102.1	109.1	110.9
家庭電化商品	100.5	102.5	110.0	106.9	101.5	109.0	105.1	102.5	100.6	101.7	111.3	112.3
情報通信機器商品	109.4	110.9	110.0	102.8	117.2	114.5	109.0	107.6	98.3	116.4	107.9	110.0
その他の商品	106.9	103.0	111.7	112.4	108.5	112.1	109.2	101.7	94.9	97.3	105.1	98.9

ビックカメラの12月度は107.9％となり、3ヶ月連続のプラスとなった。
月次売上速報によると「音響映像商品」ではデジタルカメラや音響アクセサリーが好調で、テレビが堅調に推移。「家庭電化商品」ではエアコンや理美容家電が好調で、冷蔵庫や洗濯機、調理家電が堅調だった。「情報通信機器商品」ではパソコンやパソコン周辺機器が好調だったが、スマートフォンはやや低調に。「その他の商品」は医薬品や寝具が好調で、時計やスポーツ用品、酒類が堅調だったとしている。

ケーズホールディングス

■月次売上(前年同月比)

2024年 1月	2024年 2月	2024年 3月	2024年 4月	2024年 5月	2024年 6月	2024年 7月	2024年 8月	2024年 9月	2024年 10月	2024年 11月	2024年 12月
92.1	98.7	107.0	103.3	99.6	111.3	99.3	97.9	99.9	93.0	104.1	105.8

■商品別・カテゴリー別売上(前年同月比)

	2024年 1月	2024年 2月	2024年 3月	2024年 4月	2024年 5月	2024年 6月	2024年 7月	2024年 8月	2024年 9月	2024年 10月	2024年 11月	2024年 12月
テレビ	97.3	101.0	102.1	89.8	98.2	106.7	105.1	96.0	95.3	93.3	98.1	102.5
パソコン・情報機器	69.3	85.2	98.6	77.8	88.7	101.3	89.6	91.3	91.3	89.3	98.3	101.7
冷蔵庫	90.7	93.2	96.6	97.7	84.9	104.4	89.6	93.0	101.9	93.0	102.7	101.3
洗濯機	92.8	95.9	102.1	93.9	93.3	99.8	94.1	106.5	105.4	98.7	107.5	105.5
クリーナー	98.6	103.4	106.4	94.9	109.5	107.7	94.7	102.1	106.4	86.4	96.4	104.4
調理家電	101.5	103.8	113.3	94.5	99.3	110.3	99.9	108.1	105.5	93.7	106.3	106.4
理美容・健康器具	103.1	105.1	110.9	94.7	98.7	114.3	106.8	109.8	108.0	100.6	114.1	108.5
エアコン	91.9	103.3	119.7	150.0	102.5	125.9	104.9	85.1	95.7	84.8	107.4	115.7

ケーズホールディングスの12月度は105.8％となり、2ヶ月連続のプラスとなった。この結果、2024年度第3四半期計は101.5％と堅調に推移している。
商品別はエアコンをはじめすべてがプラスになり、前月がマイナスだったテレビが102.5％、パソコン・情報機器が101.7％、クリーナーが104.4％となっている。
店舗状況は出店が1店舗(神奈川県)あり、退店が1店舗あったため月末店舗数は560店となっている。

エディオン

■月次売上(前年同月比)

	2024年 1月	2024年 2月	2024年 3月	2024年 4月	2024年 5月	2024年 6月	2024年 7月	2024年 8月	2024年 9月	2024年 10月	2024年 11月	2024年 12月
全店	95.5	100.4	107.1	107.2	101.1	117.6	104.9	110.8	104.4	100.0	103.4	102.3
直営店	95.0	100.2	107.3	106.4	100.7	117.9	104.4	111.5	104.7	99.5	103.3	102.4

■商品別・カテゴリー別売上(前年同月比)

	2024年 1月	2024年 2月	2024年 3月	2024年 4月	2024年 5月	2024年 6月	2024年 7月	2024年 8月	2024年 9月	2024年 10月	2024年 11月	2024年 12月
テレビ	97.3	92.3	100.9	99.7	95.7	116.1	104.8	106.9	96.4	98.1	95.4	94.1
エアコン	91.7	97.8	112.4	119.4	91.5	127.4	110.0	113.7	113.2	102.5	112.1	112.4
冷蔵庫	98.5	90.9	98.6	100.5	96.2	101.0	89.0	92.6	98.4	98.1	97.9	99.3
洗濯機	98.3	94.8	104.1	98.3	97.4	108.6	95.0	105.7	101.4	98.5	104.0	101.3
パソコン	75.3	89.0	101.2	95.4	84.6	100.7	83.8	100.8	89.6	87.0	94.6	101.2
ELS事業 (リフォーム計)	106.4	112.4	118.1	108.5	110.7	122.0	105.8	116.7	112.8	110.8	97.6	94.5

エディオンの12月度は全店で102.3％、直営店で102.4％と2ヶ月連続のプラスとなった。2024年度計では全店で105.7％、直営店で105.6％と堅調に推移している。
商品別ではエアコンが112.4％と依然として好調で、洗濯機も101.3％、パソコンが101.2％と堅調に推移している。ELS事業(リフォーム計)は94.5％と2ヶ月連続のマイナスとなった。
店舗状況は出店がFCで1店舗あり、退店は直営店で1店舗、FCで2店舗あったため、月末店舗数は1,202店となっている。

上新電機

■月次売上(前年同月比)

2024年 1月	2024年 2月	2024年 3月	2024年 4月	2024年 5月	2024年 6月	2024年 7月	2024年 8月	2024年 9月	2024年 10月	2024年 11月	2024年 12月
88.7	93.4	99.4	99.4	90.3	108.6	99.6	106.5	72.8	99.5	81.9	107.5

■商品別・カテゴリー別売上(前年同月比)

	2024年 1月	2024年 2月	2024年 3月	2024年 4月	2024年 5月	2024年 6月	2024年 7月	2024年 8月	2024年 9月	2024年 10月	2024年 11月	2024年 12月
テレビ	85.1	99.6	107.1	97.5	92.7	112.2	104.4	109.2	57.0	98.0	67.7	107.1
パソコン	70.6	88.4	99.1	83.8	92.9	109.3	89.1	109.5	56.8	98.0	68.1	109.8
携帯電話	73.5	88.9	100.8	126.4	117.3	141.8	104.0	122.1	106.4	111.3	108.2	107.9
エアコン	78.7	97.3	103.7	133.8	89.8	125.1	108.7	103.0	70.5	122.0	75.7	128.7
冷蔵庫	84.4	96.2	94.7	104.8	92.0	103.1	91.9	95.9	59.4	103.8	67.4	113.1
洗濯機・クリーナー	92.5	90.1	99.8	96.3	93.6	102.0	93.2	111.8	70.2	108.5	76.0	113.2

上新電機の12月度は107.5％と4ヶ月ぶりのプラスとなった。9月から11月は前年の阪神タイガース優勝セールの盛り上がりの反動が大きかった。
商品別ではエアコンや好調さが続いている携帯電話をはじめすべて前年プラスとなり、冷蔵庫が113.1％、洗濯機・クリーナーが113.2％と白物大型家電がいずれも2ケタプラスとなった。
店舗状況では出退店ともなかったため、月末店舗数は219店となっている。

コジマ

■月次売上(前年同月比)

	2024年 1月	2024年 2月	2024年 3月	2024年 4月	2024年 5月	2024年 6月	2024年 7月	2024年 8月	2024年 9月	2024年 10月	2024年 11月	2024年 12月
既存店	87.3	99.9	107.0	107.9	103.9	112.1	103.2	102.9	105.5	101.8	108.0	106.1
全店	88.8	101.8	108.7	109.1	105.4	113.9	103.2	102.5	104.5	100.2	106.9	105.5

■商品別・カテゴリー別売上(前年同月比)

	2024年 1月	2024年 2月	2024年 3月	2024年 4月	2024年 5月	2024年 6月	2024年 7月	2024年 8月	2024年 9月	2024年 10月	2024年 11月	2024年 12月
テレビ	93.0	112.1	103.0	105.2	103.5	123.2	123.3	98.4	107.2	98.4	99.8	108.7
冷蔵庫	99.7	102.5	111.0	104.0	104.3	108.9	96.2	100.5	101.9	107.7	99.6	98.9
洗濯機	91.2	104.8	101.3	95.8	98.0	100.8	94.1	105.5	107.5	93.0	108.1	102.4
エアコン	89.1	100.9	121.5	145.0	117.8	116.1	100.9	91.7	96.0	105.5	112.6	120.4
掃除機									93.7	87.6	94.4	95.7
パソコン （本体のみ)	73.7	83.0	96.0	88.3	93.9	106.9	93.9	98.1	87.6	92.2	102.4	93.8
携帯電話	79.7	99.6	111.8	130.6	119.8	142.0	110.8	124.7	126.6	112.3	121.0	107.3

コジマの12月度は既存店が106.1％、全店が105.5％となり、全店は11ヶ月連続、既存店は10ヶ月連続のプラスとなった。
月次売上速報によると、テレビはminiLEDモデルの普及促進によって好調となり、エアコンは気温低下の影響で前年を大きく上回った。携帯電話は前年が電気通信事業法改正に伴う駆け込み需要の影響で好調だったものの、それを大きく上回った(前々年比195.3％)。
そのほか、電気ストーブ(前年比152.3％)やゲーム機本体(前年比127.9％)が好調に推移したとしている。
店舗状況は出退店ともなかったため、月末店舗数は140店となっている。

ヤマダホールディングス(デンキセグメント)

■月次売上(前年同月比)

	2024年 1月	2024年 2月	2024年 3月	2024年 4月	2024年 5月	2024年 6月	2024年 7月	2024年 8月	2024年 9月	2024年 10月	2024年 11月	2024年 12月
デンキセグメント	92.8	99.3	106.6	102.4	99.3	110.9	98.7	101.5	104.3	97.5	104.5	102.8

ヤマダホールディングスのデンキセグメント12月度は102.8％で、2ヶ月連続のプラスとなった。
月次速報によると、前年は４月から大型店を中心とした出店が続いていたこともあり、売上ハードルが高くなっていたが、季節家電や冬物のインテリア・生活雑貨が好調に推移したほか、昨年の法改正前の駆け込み需要のあった携帯電話は反動減が予想されていたが、今年も電気通信事業法改正前の駆け込みによって伸長し、前期を大きく上回る結果になったとしている。
店舗状況は直営店のみの公表で出退店ともなかったため、958店となっている。