【家電量販月次売上】2月は3社が前年割れに

家電量販企業大手7社のうち、IR情報として月次売上速報を公表しているのはビックカメラ、ケーズホールディングス、エディオン、上新電機、コジマ(ビックカメラの子会社)、ヤマダホールディングス(セグメント別)の6社。いずれもPOS受注売上ベースの数字であり実際の販売額とは合致せず通期の売上等とも異なるが、家電量販企業の足下の販売動向や月々の変化などを知る上で重要な情報となる。
2024年2月度の月次売上速報が出そろった。

※出典:各家電量販企業のWebサイト・IR情報。数字は売上POSデータに基づいて作成したもので、速報値であり決算等の数字とは異なります。ご注意ください。

家電量販企業6社の2月度売上速報

家電量販店6社の月次売上 2024年2月度

2月は年間を通じて販売が伸びにくい月ではあるが、進入学や新社会人の「新生活」準備の時期であり、各社とも「応援セール」でのセット提案や専用コーナー設置などの展開が進んでいる。一人暮らし用として小型クラスの冷蔵庫や洗濯機、ジャー炊飯器、電子レンジなどの調理家電の販売が伸びる一方、パソコンやテレビの伸び悩みが目立っている。
引き続きインバウンド需要の影響も大きく好調さをキープしているビックカメラ以外、1月は前年割れになっていた各家電量販店も多少マイナス幅は狭まってきており、月次売上速報を公表している6社の中でエディオンとコジマは前年同月比でプラスとなった。
3月は「新生活」に加えて、異動による「引っ越しシーズン」でもある。さらに暖かくなることで行楽も増え、デジタルカメラ等の販売も期待できる。多くの家電量販店にとっては期末であり、「決算セール」が強化されることで、年末年始商戦の低迷をばん回できるか注目される。

ビックカメラ

ビックカメラ 月次売上速報 2024年2月
■月次売上(前年同月比)
■商品別・カテゴリー別売上(前年同月比)

ビックカメラの2月度は107.3%と、前年比プラスは16ヶ月連続となった。この結果2024年8月期の第2四半期は105.2%、上期累計でも105.9%と好調さを維持している。月次売上速報によると商品カテゴリーすべてが前年比プラスに。「音響映像商品」ではデジタルカメラが好調だった一方、テレビやオーディオがやや低調だった。「家庭電化商品」では理美容家電が好調で、調理家電が堅調に推移。「情報通信機器商品」はパソコン周辺機器やスマートフォンが好調だった。「その他の商品」では時計や医薬品、玩具、酒類、寝具が好調で、スポーツ用品が堅調だったとしている。

ケーズホールディングス

ケーズホールディングス 月次売上 2024年2月
■月次売上(前年同月比)
■商品別・カテゴリー別売上(前年同月比)

ケーズホールディングスの2月度は98.7%と3ヶ月連続のマイナスとなった。商品別ではテレビが101.0%と昨年11月以来の前年比マイナスから脱却したほか、クリーナー、調理家電、理美容・健康器具、エアコンが前年比プラスとなっている。
店舗状況は出店が1店舗(長野県)、退店が1店舗(静岡県)あり、月末店舗数は556店となっている。

エディオン

エディオン 月次売上 2024年2月
■月次売上(前年同月比)
■商品別・カテゴリー別売上(前年同月比)

エディオンの2月度は全店で100.4%、直営店で100.2%と、いずれも3ヶ月ぶりのプラスとなった。商品別では「ELS事業(リフォーム計)」が112.4%と2ケタプラスとなり4ヶ月連続のプラスになったが、その他の商品はいずれもマイナスとなった。
店舗状況は新店がFC店で1店舗あり、退店はFC店で3店舗あったため月末店舗数は1,207店となっている。

上新電機

上新電機 月次売上 2024年2月
■月次売上(前年同月比)
■商品別・カテゴリー別売上(前年同月比)

上新電機の2月度は93.4%で3ヶ月連続のマイナスとなった。商品別では昨年12月度まで好調だった携帯電話が88.9%と前月と同じくマイナスとなり、その他の商品も前年を下回った。
店舗状況では新店が1店舗あり、退店が2店舗あったため月末店舗数は218店となっている。

コジマ

コジマ 月次売上 2024年2月
■月次売上(前年同月比)
■商品別・カテゴリー別売上(前年同月比)

コジマの2月度は既存店で99.9%、全店で101.8%となった。全店のプラスは昨年8月以来、6ヶ月ぶりとなる。月次売上速報によると、EC(モールサイト)の販売施策の影響が一巡したことに加えて、新生活に関連する商品が好調だったため、前年を上回った。新生活関連の商品ではテレビや冷蔵庫、洗濯機が好調に推移。テレビは販売施策の影響で大型タイプが、洗濯機はドラム式洗濯機が好調だった。その他、デジタルカメラが好調(前年比185.1%)だったとしている。
店舗状況では新店がなく、退店が1店舗あったため月末店舗数は142店となっている。

ヤマダホールディングス(デンキセグメント)

ヤマダホールディングス 月次売上 2024年2月
■月次売上(前年同月比)

ヤマダホールディングスのデンキセグメント2月度は99.8%と2ヶ月連続のマイナスとなったが、通期累計は100.1%と前年並みを維持している。月次速報によるとパソコンや携帯電話が前年を割り込み、全体を押し下げた。一方でインテリアや玩具、リフォームなどがライフセレクト店舗を中心に売上を伸ばしたとしている。
店舗状況は直営店のみの公表で新店はなく、退店が1店舗あり、月末店舗数は974店となっている。