白物家電の出荷額は3ヶ月ぶりプラスに

日本電機工業会(JEMA)は2023年9月度、および2023年度上期の民生用電気機器の国内出荷実績を発表した。
2023年9月度の国内出荷金額は2,095億円、前年同月比100.7%と3ヶ月ぶりのプラスとなった。

民生用電気機器国内出荷 金額動向 2023年9月

エアコン、冷蔵庫の出荷額は前年比プラス

製品別の国内出荷金額を見ると、エアコンは548億円(同116.0%)と4ヶ月ぶりのプラスとなった。
冷蔵庫は411億円(同108.8%)と2ヶ月連続のプラスとなったものの、洗濯機は378億円(同93.8%)と3ヶ月連続のマイナスとなった。

2023年度上期(4~9月)合計では、1兆3,116億円(前年同期比96.8%)となり前年同期を下回った。JEMAによると外出機会の増加でのサービス消費へのシフトや、物価高による消費者の節約志向が大型家電を中心とした耐久消費財にも影響し、民生用電気機器全体では前年を下回ったとしている。その中でも洗濯機はドラム式へのシフトもあり、上期として過去最高の出荷金額となった。

白物家電

【2023年9月度の主要製品の国内出荷台数】

●ルームエアコン
60.4万台(前年同月比106.3%)で4ヶ月ぶりのプラスとなった。7、8月は記録的猛暑によって販売が伸長しながら流通在庫が多かったことで出荷の伸びに反映されなかったが、9月も引き続き猛暑となり、好調だった前年同月をも上回る出荷台数となった。
●冷蔵庫
30.0万台(同100.8%)で11ヶ月ぶりにプラスとなった。
●洗濯機
34.9万台(同90.3%)で3ヶ月連続のマイナスとなった。
●掃除機
44.1万台(同80.1%)で7ヶ月連続のマイナスとなった。
●電子レンジ
21.4万台(同84.6%)で2ヶ月連続のマイナスとなった。
●ジャー炊飯器
37.2万台(同108.9%)で10ヶ月連ぶりのプラスになった。
●IHクッキングヒーター
5.2万台(同76.7%)で6ヶ月連続のマイナスになった。

【2023年上期(4~9月)の主要製品の国内出荷台数】

●ルームエアコン
514.5万台(前年同期比91.1%)となった。前年が上海ロックダウン解除後に出荷が正常化したことによって高水準だったのに対比して、その反動もあり、上期の過去10年平均の518.9万台をやや下回る結果となった。
●冷蔵庫
184.0万台(同93.1%)と前年同期を下回った。容量構成比は小容量、中容量は微増となったが、大容量クラスは前年同期を下回った。
●洗濯機
208.3万台(同100.4%)となり、前年同期を上回った。「洗濯乾燥機」でのドラム式の数量構成比は5.1ポイント増の81.0%となり、初めて8割を超えて全体をけん引している。
●掃除機
237.4万台(同86.0%)となり、前年同期を下回った。縦型(スティックタイプ)が6割強を占めている。
●電子レンジ
135.8万台(同90.7%)となり、前年同期を下回った。そのうち「オーブンレンジ」は約6割を占めている。
●ジャー炊飯器
204.1万台(94.9%)となり、前年同期を下回った。IH式が全体の約7割を占めており、ご飯の食味や食感を追求した高機能製品の需要は継続している。
●IHクッキングヒーター
29.7万台(同84.5%)となり、前年同期を下回った。IHクッキングヒーターのうち「2口以上ビルトイン型」が9割以上を占めている。

出典元:日本電機工業会